2級数値制御旋盤技能士④ 基本的なGコードについて

数値制御旋盤

お世話になっております、見習い生産技術です。

今回は前回の続きのGコード(G70、G71)について解説していきます。

CNC旋盤の固定サイクルについて

・NC旋盤の固定サイクルについて

外径切削・内径切削・段付き切削・溝切削・端面切削・ねじ切りなどの荒切削では、工具に切り込みを与えながら一定の動作を繰り返し、工作物を所定の寸法に切削します。
この場合、工具の動作を一つひとつプログラミングすると非常にたくさんのブロックが必要になります。
そこで、そうした場合のプログラミングを簡略化するために、NC装置は工具の繰り返し動作を1ブロックで指定できる機能を備えています。
この機能のことを固定サイクルといいます。

固定サイクルは、通常複数のブロックで構成される一連の加工動作を,G機能を含む1ブロックで指令することにより、プログラムを簡素化するために用いられます。
固定サイクルには、単一形固定サイクルと複合形固定サイクルがあります。
単一形固定サイクル→G90、G92、G94
複合形固定サイクル→G70、G71、G72、G73、G74、G75,G76などです。

G71 外形/内径荒削りサイクル

G71のプログラムの形式は上記のようになり、上記の画像のような加工経路を辿ります。

・・・っと言ってもなんのこっちゃって感じなのでイメージ出来るように「彫刻」に例えて説明します。G71を一言でいうと、「完成図を教えるだけで、それまでの『荒削り』を機械が勝手に見計らってやってくれる機能」です。

・サイクルを使わない場合(地道な方法)

1.3㎜削って戻る

2.さらに3㎜削って戻る

3.また3㎜削って・・・

という動きを、1往復ずつ全部計算して書かなければなりません。これは非常に大変です。

・G71を使用する(ラクな方法)

「完成形はこれ(P~Q)。1回に3㎜ずつ(U)削って。最後は仕上げ用に少しだけ残しておいてね(U・W)」と2行書くだけでOKです。あとは、機械が「じゃあ、完成まであと15㎜あるから、5往復して削るね!」と自動で計算して動いてくれます。

書き方のイメージ

1.設定:「1回に何㎜削るか」を決める(N130の行)

2.予約:「どこから(P)どこまで(Q)のプログラムが完成形か」を指定する(N140の行)

3.中身:N150~N190の間に、最終的な完成図の形だけを書く。

よくある注意点

「逃げ」を忘れない:削り終わった後に刃物を浮かせないと、戻るときにワークをこすって傷が付いてしまいます。(N130の行のRがそれです)

向きに注意:外径(外側)を削るのか、内径(穴の中)を削るのかで、仕上げ代(U)のプラスマイナスが変わる事があります。

まずは、「階段状にガリガリ削る作業を自動化するコード」だと思えば大丈夫です!

G70 仕上げサイクル

G70は、一言でいうと「仕上げ専用のなぞり書き機能」です。G71(荒削り)などで残しておいた「仕上げ代」を、最後に一気に削り取ってピカピカに仕上げる時に使います。

・役割として荒削りで作った「仕上げ代」を削り落とす事です。G71で加工すると、最後に指定された量(UやW)だけ肉厚が残ります。G70を指令すると、機械がその残った肉厚を完成図通りの形になぞって一気に削り落としてくれます。

・G70の基本の書式はとてもシンプルで、上記の画像の左側の通りたったこれだけです。また、G70のすごいところとして自動切り替えがあります。G70が実行されるとき、プログラム内に書かれた「送り速度(F)」や「回転数(S)」が仕上げ専用のものに切り替わります

※送り速度(F)や回転数(S)は別途解説していきます。

・荒削り(G71)の時:G71の行に書いたF0.2(速め)などでガリガリ削ります。形状データの中に書いてある「仕上げ用のゆっくりな送り速度」は無視されます。

・仕上げ(G70)の時:逆にG71の送り速度は無視され、形状データ(N150~N190)の中に書いたF0.1(ゆっくり)などの仕上げ用速度が有効になります。

また、使用する際のポイントとして・・・

1.単独では動かない:まずG71などで「素材を大体削ってある状態」にしないと、G70を使ってもエラーがでるか、削るものがなくて空振りに終わります。

2.バイト(刃物)を変更するのが一般的:荒削りは力強く削る為、刃先が摩耗しやすいです。仕上げは精度を出す為、新しくて尖った刃物を使用します。

G70を呼び出す前に、必ず仕上げ用ツール(Tコード)に交換し、正しい回転数(S)と周速一定(G96)を設定し直してください。

まとめ

以上、基本的なGコードG70、G71の解説でした。次回はG76複合ねじ切りサイクルについて解説したいと思います。今後も色んな情報をアップしていきますのでよろしくお願いします!

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