いつもお世話になっております。見習い生産技術です。今回は、2級NC旋盤技能検定の計画立案等作業試験(実技ペーパー)で頻出である「ノーズR補正なしの場合の形状変化」に関する分かりやすい解説を作成しました。

旋盤先生、NC旋盤2級の実技ペーパーでよく出る『ノーズR補正を0のまま加工しちゃった問題』が苦手です…。頭の中でどう形状が変わるのかごっちゃになってしまいます。

ここは多くの受験者が最初につまずくポイントだね!でも、仮想刃先と実際のノーズRの動きのルールさえ掴めば、実は計算も単純で確実に得点できるサービス問題になるんだよ。今回は図面を見ながら、面取り・凹R・凸Rの変化の法則を分かりやすく整理していこう!
問題の概要と解答のまとめ

この問題は、「刃先のノーズRが0.8mmの工具を使用し、ノーズR補正を『0』のまま(補正なしで)プログラム通りに加工した場合、面取りやR形状がどのように変化するか」を問うものです。前提とて、ストレートな外径や長手方向の寸法は図面通りに仕上がっている状態です。
まず、各空欄に当てはまる正しい解答の組み合わせは以下の通りです。
| 問題の空欄 | 該当箇所 | 変化の答え | 実際の数値(R) | 選択肢記号 |
| ( 1 ) | 経路②→③(C1.5面取り) | 変わらない | – | ウ |
| ( 2 ) | 経路④→⑤(R3.0凹アール) | 小さく | – | イ |
| ( 3 ) | 経路④→⑤(R3.0凹アール) | – | R2.2 | イ |
| ( 4 ) | 経路⑥→⑦(R2.0凸アール) | 大きく | – | ア |
| ( 5 ) | 経路⑥→⑦(R2.0凸アール) | – | R2.8 | ア |
超重要!ノーズR補正なしの「3大原則」
NC旋盤はプログラミングの際、工具の先端が完全に尖っていると仮定した「仮想刃先」の軌跡で指令を出します。しかし、実際の工具には丸み(ノーズR)があるため、補正をかけないと削り残しや食い込みが発生します。
変化のルールは以下の3点だけです!
ノーズR補正なしの3大原則
- 45度面取り(C面取り): 角度は変わらない(削り残しによって位置はズレますが、傾きは平行のまま保たれます)
- 凹(おう)アール(内丸): 刃先が届かず削り残るため、Rは小さくなる
- 凸(とつ)アール(外丸): 刃先が食い込んで過剰に削るため、Rは大きくなる
各経路の詳しい解説
1. 経路②→③:C1.5の面取り角度(空欄1)
プログラムのN40(X60.0 Z-1.5)で45度の面取り加工を行っています。
ノーズR補正がない場合、仮想刃先は正確に45度の直線上を動きます。実際のノーズR(円弧)は、その45度の直線に対して常に一定の距離(接触した状態)を保ちながら並行に移動することになります。そのため、加工された面取りの開始位置や終了位置には削り残しが生じるものの、面取りの「傾き(角度)」自体は45度のまま変わりません。
したがって、( 1 )の正解は ウ(変わらない) となります。
2. 経路④→⑤:R3.0の凹アール(空欄2・3)
プログラムのN60(G02 X66.0 Z-25.0 R3.0)で凹R(内側に引っ込んだアール)を加工しています。
凹Rを補正なしで加工しようとすると、工具のノーズRの丸みが邪魔をして、アールの奥まで刃先が届きません。つまり「削り残し」が発生します。削り残しができるということは、アールが急(尖った状態)になるため、Rの大きさは小さくなります。
計算式は以下の通りです。
実際の加工R = 図面指示R – 工具ノーズR
数値を当てはめると、 3.0 – 0.8 = 2.2 となります。
したがって、( 2 )は イ(小さく)、( 3 )は イ(R2.2) が正解です。
3. 経路⑥→⑦:R2.0の凸アール(空欄4・5)
プログラムのN80(G03 X100.0 Z-27.0 R2.0)で凸R(外側に飛び出たアール)を加工しています。
凸R(角)を回る際、仮想刃先がR2.0の軌跡を動くと、実際の工具のノーズRはワークの角に必要以上に深く食い込んでしまいます。これが「過剰切削(食い込み)」です。削られすぎて角がより丸くなるため、Rの大きさは大きくなります。
計算式は以下の通りです。
実際の加工R = 図面指示R + 工具ノーズR
数値を当てはめると、 2.0 + 0.8 = 2.8 となります。
したがって、( 4 )は ア(大きく)、( 5 )は ア(R2.8) が正解です。
まとめと試験対策テクニック

なるほど!『凹みは削り残るからRが小さくなって引き算』、『出っ張りは食い込むからRが大きくなって足し算』とイメージすれば、もう絶対に忘れません!面取り角度が変わらないのもスッキリ納得できました!

その通り!バッチリ理解できたね。試験本番で迷わないための覚え方として、『凹(へこみ)は引き算、凸(でっぱり)は足し算』と暗記しておこう。このノーズR補正の問題は形を変えて何度も出題されるから、この仕組みを武器にして合格を勝ち取ろう!
ポイント解説(要約)
- 面取り角度: 仮想刃先が45度で動くため、実際の加工面も平行に仕上がり、角度は「変わらない」となります。
- 凹R(内丸): 刃先が届かず「削り残し」が発生するため、Rは「小さく」なります。計算は「指示R - ノーズR」(3.0 – 0.8 = 2.2)です。
- 凸R(外丸): 刃先が角を回り込む際に「食い込み」が発生するため、Rは「大きく」なります。計算は「指示R + ノーズR」(2.0 + 0.8 = 2.8)です。
ブログの読者(受検者)が「凹みは引き算、凸は足し算」と一発で覚えられるような構成にしていますので、ぜひお役立てください!
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